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みなさまと共に歩む…… (*個人的な感想です)

本当の「雪女」 Google翻訳編

雪女

Patrick Lafcadio Hearn 作 / Google 翻訳
モサクとミノキチ 

武蔵野の村には、モサクとミノキチの2つの木工師がいました。私が話している時、モサクは老人でした。彼の弟子であるミノキチは18歳の若さでした。毎日彼らは村から約5マイル離れた森に集まった。その森への道のりには広い川があります。フェリーボートがあります。フェリーがあるところに数回橋が建設されました。しかし、橋は毎回洪水によって持ち去られました。川が上がったときに、そこに流れ込む電流に抵抗することのできる共通の橋はありません。

モスクとミノキチは帰宅途中だった。非常に寒い夕方、大きな吹雪がそれらを追い越した。彼らはフェリーに到着した。ボートマンが川の向こう側にボートを残していたことが分かった。それは泳ぐ日ではなかった。ウッドカッター達はフェリーマンの小屋で避難所を取った。小屋に火鉢はなく、火をつける場所もありませんでした。それは1つの扉があり、窓はない2畳の小屋でした。モサクとミノキイチはドアを締めて、その上に藁の雨の上に乗って休息した。最初は彼らはとても冷たく感じませんでした。彼らはすぐに嵐が終わると思った。

老人はすぐに眠りに落ちた。少年ミノキチは長い時間目を覚まし、ひどい風に耳を傾け、雪をドアに絶えず叩きつけていた。川は轟音であった。小屋は揺れて海の迷路のように鳴り響きました。それはひどい嵐だった。空気は一瞬一層寒くなりました。ミノキチはレインコートの下で震えました。しかし、ついには、寒さにもかかわらず、彼はあまりにも眠りについた。

彼は顔に雪が降りて目が覚めた。小屋の扉は強制的に開放されていた。そして、雪光(ゆきかかり)によって、彼は部屋の女性を見ました - 白人の女性。彼女はモサクの上で曲がっていて、彼女に息を吹きかけていた。そして彼女の息は明るい白い煙のようだった。ほぼ同じ瞬間に、彼女はミノキチに向かい、彼をひっくり返した。彼は叫んだりしようとしましたが、何の音も出せないことがわかりました。白い女性は、彼の顔が彼にほとんど触れるまで、彼の上を下ったり下ったりした。彼は目が彼を恐れさせたが、彼女はとても美しいと思った。彼女は笑って、笑って、「他の人と同じように扱いたいと思っていたが、若い頃、あなたに同情を感じるのを助けることはできない。あなたはかわいい男の子、Minokichiです。今はあなたを傷つけません。しかし、もしあなたが今夜あなたが見たことについて誰か、つまり自分の母親まで言えば、私はそれを知るでしょう。それから私はあなたを殺すだろう...私の言うことを忘れないで! "

これらの言葉で、彼女は彼から向かい、出入り口を通りました。それから彼は自分自身を動かすことができた。彼は立ち上がり、見た。しかし、女性はどこにも見えませんでした。雪が小屋に激しく吹き込んでいた。ミノキチはドアを閉め、数枚の木材をそれに固定して固定した。彼は風が開いているかどうか疑問に思った;彼は唯一の夢を見ていたかもしれないと思って、白い女性の人形のための玄関の雪の光の煌きを間違えたかもしれないが、彼は確信することができませんでした。彼はモサクに電話し、老人が答えなかったのでびっくりした。彼は暗闇の中で手を出し、モサクの顔に触れ、それが氷であることを発見した!モサクはスタークで死んでいた...

夜明けの嵐は終わった。その日の少し後に、駅に戻ったとき、彼はミノキチがモザクの凍った体のそばに無意識のうちに横たわっていることを発見した。 Minokichiはすぐに世話をされ、すぐに自分自身に来た。その恐ろしい夜の寒さの影響から、彼は長い間病気のままでした。彼は老人の死によっても大きく怯えていた。彼は白人女性のビジョンについては何も言わなかった。彼が再びうまくやって来るとすぐに、彼は毎朝森に行き、夕暮れ時に彼の母親が販売するのを助けた木製の束で戻ってくる彼の呼び出しに戻りました。

ある晩、翌年の冬に、家に帰る途中で、同じ道を旅していた少女を追い抜いた。彼女は背の高い、スリムな女の子、非常に格好良かったです。彼女は鳴き声の声のように声を響きながら、箕木斉の挨拶に耳を傾けて答えた。それから彼は彼女のそばを歩いた。彼らは話を始めた。女の子は彼女の名前はO-Yukiだったと言った。彼女は最近、両親を失いました。彼女はええに行くことになっていました。彼女は何らかの貧しい関係を経験したことがあり、彼女は奴隷としての状況を見つけるのを助けるかもしれません。

ミノキチはすぐにこの奇妙な女の子に魅了された。そして彼が彼女を見た以上に、彼女はハンマーと思われた。彼は彼女にまだ婚約しているかどうか尋ねた。彼女は笑いながら、彼女は自由であると答えました。そして、彼女は自分の順番で、ミノキチに、結婚しているのか、結婚するのかを尋ねました。彼は、彼女には、未亡人の母親しかいなかったが、 "尊敬される義理の義理"の質問は、まだ若い頃から考慮されていなかったと語った。これらの信頼の後、彼らは話すことなく長い間歩いた。しかし、諺が示すように、キ・ガ・アッバ、私はモク・クーディ・ホドニ・モノウォー・イウ:「希望があれば、目は口のように言える。彼らが村に到着するまでに、彼らはお互いにとても喜んでいました。ミノキッチはおゆうきさんにしばらく家に帰るように頼んだ。いくつかの恥ずかしがり屋の後、彼女は彼と共にそこに行った。彼の母親は彼女を歓迎し、彼女のために暖かい食事を用意しました。おじいちゃんはあまりにもうまく行動していたので、ミノキチさんの母親は突然彼女に気に入って、彼女にイエローの旅を遅らせるよう説得しました。そして、問題の自然な終わりは、ユキは決してええに全く行きませんでした。

彼女は「名誉ある義理の嫁」として家に残った。 O-Yukiは非常に良い義理の義理を証明しました。ミノキチの母親が死にました - 5年後、最後の言葉は息子の妻のために愛情と賛美の言葉でした。そして、O-Yukiは10人の子供、少年少女、それらのすべての子供たち、そして非常に公平な皮膚を持っています。

田舎の人は、O-Yukiは本質的に素晴らしい人物だと思っていました。農民女性の大半は早く年を取る。 O-Yukiは、10人の子供の母親になってからも、村に初めて来た日のように若くて新鮮なものでした。ある夜、子どもが眠った後、おゆきは紙のランプの光で縫い合わせていた。とミノキチは、彼女を見て、言った: -

「あなたがそこに縫うのを見るためには、あなたの顔に光を当てて、私が18歳の若者の時に起こった奇妙なことを考えさせてください。あなた...」彼女の仕事から目を離さずに、O-Yukiは答えました。「彼女について教えてください...どこに彼女を見ましたか?それから、ミノキチは、フェリーマンの小屋と、彼の上に腰をかがめていた白い婦人の笑い声と囁き声、そして老いたモサクの沈黙の死について、彼女に語った。そして、彼は言った:

「眠っているか目が覚めている、それは私があなたのように美しいと思った唯一の時間でした。もちろん、彼女は人間ではなく、私は彼女を恐れていた、非常に恐れていましたが、彼女はとても白でした!私が見た夢なのか、雪の女なのかは決して確かではありませんでした」「おゆうきは縫い物を下ろして起き上がり、ミノキチの上を歩いて座って叫んだ彼の顔に -

「それは私なんだよ!雪だよ!そして、もしあなたがそれについて話したら、私はあなたを殺すだろうと言ったんだけど...でも、そこに眠っている子供たちは、この瞬間にあなたを殺すだろう!今あなたは彼らのことをとてもうまくやっているほうがいいと思うのですが、これまでにあなたに不平を言う理由があれば、私はあなたにふさわしいようにあなたを扱います!」...彼女が叫んだとしても、彼女の声は、彼女は屋根の梁に溶け込んだ明るい白い霧の中に溶けて、煙の中を震え去りました。もう一度彼女は見られませんでした。


解説


これまでにいろいろな人が翻訳している小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の『怪談』だが、現代の技術の結晶である機械翻訳の中でも、もっとも進歩したGoogle翻訳であらためて訳してみると、昔の訳者では気が付かなかった原文の本当の意味が浮き彫りにされる。
モサクとミノキチは、フェリーボードに乗って帰ろうとしていた。江戸時代の話だと思われていたが、どうも違うらしい。また、ミノキチはフェリーマンの小屋で恐ろしい体験をして、急いでモサクに電話をかけているが、二畳ほどの小さな部屋にいる相手にかけるということは、携帯電話が普及していたことを示している。
また、他の訳では、O-Yukiは江戸に向かう途中だったとされているが、今回の翻訳でO-Yukiが白人女性であることがわかり、また行き先もイエローの街ということも判明した。つまり、時代どころか、舞台となった世界も日本ではないようだ。
最後にO-Yukiは「それは私なんだよ!雪だよ!そして、もしあなたがそれについて話したら、私はあなたを殺すだろうと言ったんだけど...」と語気が変化したと思えば、その後は何を話しているのかわからない。やっぱりO-Yukiは外人だったのだ。
それは別として、肝心な結末部分で、主人公のひとりであるO-Yukiが何を言ってるのかわからないので、物語として、何が言いたかったのか、ぜんぜんわからない。釈然としない。なんだこれ? である。小泉八雲、どうかしてるぞ。

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中川社長のショートストーリー『病床六万尺』③

社長1 がーーーーんんん!と映画やドラマだったら、ピアノの一番上から一番下までの鍵を使ってフォルテシモで思いっきり響かせる所だが、そういうことはなかった。目の前が真っ白にも真っ黒にも真っ青にもピンク色にもならなかった。
 走馬灯が頭のまわりでパカパカ走り回るという事もなく、人生の初めから終わりまでの場面が一瞬のうちに甦るという事もなく、雲がふたつに割れてそのあいだから天使がラッパを吹きながら舞い降りてくるという事もなく、西方浄土から阿弥陀様ご一行が押し寄せるという事もなかった。(みなさん、あんなの嘘っぱちでっせ) それまでの光景がそれまでのように、どうってことなく、のんべんだらりと続いているだけである。「死」ということも頭に浮かんだが、
「まあ、そういうこともあるだろうねえ」
と思っただけだった。べつに悟っているわけではない。まあ、そういうものなんだ、としか言いようがない。
 たいていの人は、離れがたい家族があったり、どうしてもやり遂げたい仕事があったりするんだろうが、私の場合、幸か不幸か、そういうものもない。甚だ手離れがいいのである。なんか、あっけないのである。
 恐くないわけではないが、そうなったらそうなったで仕方がないという気がするのである。
 なんとなく、入院以来今日まで頭がボーッとしている。ただでさえ、はっきりしていない頭なのであるが、この「ぼー」があるいは、ショックアブソーバの役割をしているのかもなあ、と思ったりもする。やはり、それなりにショックを受けてるのかねえ。この辺、自分でもよくわからない。ショック、というより、しょつくぅ~、といった程度であろうか。
 それから、1,2日放っておかれたような気がする。もしかすると、胃カメラの前だったかもしれない。断食していた日もあった。
 いやいや、そんなはずないか。胃カメラもやらずに宣告して置いて、あとから、「ごめん、ごめん、さっきのウソ」というのもおかしい。普通に宣告するより数倍意地悪である。この辺、周辺の人の方がよくわかっているかもしれない。

中川社長のショートストーリー『病床六万尺』その2

病床2 第一回から、ずいぶんと間が空いてしまった。この間、一部のひとの御期待には反することになるが、死んでしまったわけではない。さらに、先ほどまで死んでいたが、今、生き返ったという、荒技を見せたわけではない。
病人といえど忙しいのだ。ごろごろしたり、のらくらしたり、うだうだしたりと、息つく暇もない。
いや、筋肉が落ちてしまっているせいか、実際、なんと言うこともない用事をするにもエラくくたびれるのだ。なにか一つやっては、横たわってしばし休息しなければならない。そして、この「しばし」は伸縮自在であってぐっすり眠り込むことまで含まれる。
そんなこんなで、「世界一忙しい男」として、過ごしいていたのである。

そうそう、そう言っている私はこれを書いている時点では、すでに自宅で抗がん剤治療を開始しているのであった。一方、文章の方は(ここでようやく第一回のつづき)
急遽、有無を言わさず病院に入院するつもりで来い、というとこまでいったのであった。
医者にあれやこれやと聞かれた後、CTだの胃カメラだのレントゲンだの、あれだのこれだの、覚えていられないくらいの検査を受け、医者と看護士としては、それでもまだ検査したりないらしくて
「まだ、やっていない検査はないかな」
「梅毒と水虫の検査がまだですが」
「さすがに、それをやるわけにもいくまい。他にないかな」
「あ、星占いと四柱推命とコックリさんがすんでません」
など、綿密この上ない検査の末、ふたたび診察室に通されて、
「あなたは胃ガンです」
宣告であった。

社長の “緊急!” ショートストーリー 『病床六万尺』その1

社長1 突然ではございますが、癌という事になってしまったのである。癌というのは、近ごろでは、かなり早い段階で突き止められるようだが、私のように普段、努めて早期発見を怠っている人間にとっては、突然なのである。だから、まあ、いつかはこうなるのかなあ、などと暢気に構えていたらこうなったので、あ、やっぱりね、と言う具合でだから、本人にとって突然なのかどうか、甚だ曖昧なのである。
はじめは、嫌に目まいやふらつきが続いて、だんだん、ひどくなってきたので、人のススメもあって「神経内科」という所に行ってみたのである。そこで血液検査をしたのだが、翌日、昼、外出中に電話が掛かってきたのである。「検査の結果、ひどい貧血だという事がわかりました、うちなんぞにかかっている場合ではありません。Nという大きな病院に、紹介状を書きましたので、3時までにそこへ行って間抜け面を見せなさい。すぐ入院という事になるでしょう」
時計を見れば、すでに12時半。取るものも取りあえず、いったん帰宅して、なんだかわからぬうちに、必要と思われるものをバッグに詰め込んで、あわわわわわ、と叫びつつ、N病院の受付によろめき込んだのであった。

社長のショートストーリー『短編集』

社長1その日は私用で会社を休んだ。
 ラッシュの時間帯を過ぎて空席が出てきた車内で、とある作家の短編集を開いていた。ソラキアと言う小国出身の作家で、ノーベル賞の候補にもなったことがあるという話を聞いたこともある。私はそれほど文学に詳しくないので、それがその後どういうことになったのか、知らない。
 ただ、ご縁があったのか、日本で翻訳が出版されるごとに買って読む習慣が出来てしまったというだけだ。
 ごくありふれた日常の描写の言葉が、いつの間にかトランプの札が裏返っていくように姿を変えていき、いつの間にか遠い世界に連れて行かれる、という魔法の時間の体験を味わったら離れることができなくなった。もう、かなりの高齢になるはずなので、いったいいつまでこの楽しみを続けさせてもらえるのかと思っている。
 短編をひとつ読み終えて、ほっと息を吐いて顔を上げると老嬢が二人、私の隣の空いている席を譲り合っていた。ふと気がつくと私の反対側の席も空いている。そこで、ひとつずらして二人並んで腰を下ろせるようにしてやると、なんだかそれだけのことなのに、ずいぶん大げさに礼を言われて少々照れた。
 本の続きを読もうと思って目を落とすと、二人の会話が断片的に耳に入ってきた。「ソラキア刺繍」と言っていた。ちょうど私が読んでいる作家の出身国だ。
 クロスステッチで10センチに何目、チェーンステッチはどうのこうの、という話をしている。なるほど、そういえばこの作家の作品は言葉の刺繍と言えないこともない。
 ちょっと嬉しい偶然だった。

 新幹線の三つ並んだ座席の窓際に席を占めた。この奥まったところで短編集を開くととソラキアの田舎町の屋根裏部屋か、草原の穴ぼこかに潜り込んだような気がして自分が昔話に出てくる人物のような気になる。
 私は隠れた。日本の都会から、遠く離れた国の爽やかな空の下に。
 すると数ページも読み進まないうちに、
「こちら、空いておりますでしょうか」
 女性の声に話しかけられて、窓の外を見れば相変わらず日本の工業地帯を電車は疾走しているのであった。
「どうぞ」
 と応えてその顔を見てびっくりした。先ほど山手線の中で、私の隣に座っていた二人連れだ。
 いや、よく見れば違う。通りすがりの人の服装などはっきりとおぼえているわけはないが、顔立ち、髪の色はさっきの人たちよりは若い。なにより、彼女らは私が東京駅で乗り捨てた電車に乗って行ってしまったのだし、その人達がここにいるなんて手品でも出来るわけがない。
 だが、なにか同じだという感じがしてならなかった。
(あなた方は先ほど山手線に乗っておられましたね)
 そんな質問をしてみたくなる。
 やがて座席に落ち着くと、彼女たちのおしゃべりが聞こえてきた。
「・・・・・・そうでしょ。ソラキア刺繍なんて習っている人、そうそう、いないでしょ・・・・・・」
「だからねえ、糸の色を何番にするか、なんてのもなかなかよくわからないのよね」
 私は冷たい手で頬を撫でられたような気がした。なんだかソラキア刺繍に跡をつけられているような気になった。もちろん、その刺繍を習っている人に偶然、出会うと言うことは起こりえないことではない。だから、むしろ、その偶然を楽しめばいいのだ、自分にそう言い聞かせて再び本に目を戻した。
 その短編の主人公の少年の両親はある複雑な事情から祖国を離れて長い旅に出ることになった。残された少年は、湖のほとりの町に住む叔父叔母に引き取られて、その年を過ごすことになった。少年は十一歳だった。
 湖を見渡すことが出来る部屋に少年がいると、おばさんが入ってきた。手には布と針箱が持たれていた。
 叔母さんはこのあいだから始めていた刺繍の続きに取りかかった。モチーフは、このあたりの風景のようだった。湖の景色を刺すときは、彼女はいつもこの部屋に来るのだった。
「ご存じ?ソラキア刺繍の占いのことは」
 これは新幹線で隣に座り合わせた女性の口から出た。
「占い?刺繍で占いが出来るの?」
「私もよくはわからないのだけど、ソラキアで刺繍をする女性はみんな巫女なんだって。刺繍をしてるうちに何かが降りてきて未来や過去のことを告げるのよ」
「なんだか、こわいわね。刺繍をするたびに知らなくてもいいことを知らされるなんて」
 ああ、そうか、と私は一人うなずく。少年の前で、この叔母さんは占いをしようとしているんだ。何を占うつもりなんだろう、彼の両親の運命、彼の未来・・・い、いや、待て。そこでそんなことがわかってしまうなんて、占いって残酷じゃないか?
 少年は叔母さんの手元をじっとみつめている。私もみつめている。少年には、それが占いだってわかっているんだろうか。
 やがて、叔母さんはにっこり微笑む。
「今日、きっと隣のワグネルさんが鶏を一羽持ってきてくれるわ。シチューにしましょうね」
 それも占いの結果なのか。私は叔母さんの顔をみつめている。少年もみつめている。
「僕、占いなんて、あまり好きじゃないな」
 私も好きではない。
「占いなんて、なんだか怖くて嫌いよ」
 これは隣の席から聞こえてくる会話。
 本から顔を上げると、窓の外には日本の田園が広がっていた。小雨が降っているようだ。線路と並行している農道を軽トラックが走っていく。
 ほどなく、車内アナウンスが、私が降りる駅に近づいたことを告げた。その駅からさらにローカル線に乗りかえなくてはならないのだ。

 新幹線の改札を出て跨線橋を渡ると薄暗い改札口があって、そこを抜けて階段を降りていくと、こじんまりとした地方私鉄の電車が恥ずかしげに停まっていた。
 まだ発車時刻まで時間があるせいか、車内に人は少なかった。ロングシートに腰を下ろして、ぼんやりと地元の信金の広告とショッピングモールの広告を眺めた。
 今度は本は開かなかった。なんだか、短編集に追いかけられているような気がしたので。そうこうするうちに、ダークスーツのサラリーマン、主婦、ちっちっと歯を鳴らして新聞を読んでいるオヤジ、いや、いちいちあげていたらきりがないが、様々な人が乗り込んできて、ロングシートはほぼ埋まった。
 気がつくと、私の隣にも人がいて、その膝の上には刺繍が載っていた。
(ソラキア刺繍)
 がったん、と図体のわりに派手な音を立てて電車は走り出した。私は転げそうになって、隣に座っていた女性の肩に顔を埋めてしまった。
「ご、ごめんなさい」
 くだものの匂いがした。顔が赤くなるのを感じた。
 恥ずかしかった。その声は、私の声ではなかったから。いや、でもかつてはわたしのものだった声だ。まだ、声変わりする前の私の。目を落とすと、半ズボンから出ている膝小僧が見えた。
「大丈夫よ。揺れるわね、この電車」
 照れくさくてたまらなかった。先ほど、新幹線の中で隣にいた女性のうちの背の高い方の女性だなと思った。もう不思議とも何とも思わなかった。一日のうちに同じ人と何度もあって、お互いにどんどん年齢が違っていく。一生のうちには、そんなことがあるのだと思った。 
「あの、この刺繍」
「ああ、これ、ソラキア刺繍っていうのよ。ステッチが少し変わっているでしょう。知っている?」
 知っている、あなたから教えてもらった。だが、それは口に出さなかった。
「何を刺繍しているんですか」
「そうねえ、まだぼんやりしてわからないわねえ。これ、この辺が湖の浜辺で、後ろに森があって、低い山があって、その上に空が広がっている景色になる予定なんだけど」
「どこの景色ですか」
「ソラキア」
「行ったことがあるの?」
「ないわ」
「写真で見たの?」
「そうねえ」
 と、少し困った顔になった。
「目を閉じると浮かんでくるの」
 彼女の目蓋の裏には空と湖が浮かんでくると言う。私の目蓋の裏には、それに加えて風景を見ながら刺繍をしている女性が浮かんでくるし、それを見ている十一歳の少年が浮かんでくる。
 ソラキアは大国にはさまれた小国なので、大戦中にはかなりの辛酸を舐めた国らしい。いま、刺されている刺繍に、やがて、その静かな痛みが立ち上がってくるのだろうか。それとも、静謐なままに終わるのだろうか。

 バスは行き悩んでいるようなエンジン音を立てて峡谷沿いの道を登っていく。道路脇の木々の枝が窓をこするたびに水しぶきが上がる。対岸には道はないようで、ただ、憂鬱そうな森が続いている。
 一つ前の停留所で客が降りてしまったので、バスに乗っているのは運転手と私だけになった。子供一人で、こんなところに旅してきたのが心細かった。
 終点には私が行くはずの建物が一軒あるだけなので、迷うことは出来なかった。そこへ行くか、とって返して東京に戻ってしまうか、だけだった。
(お前、大丈夫か)
 誰かに話しかけられたような気がした。
(だ、大丈夫だよ)
(寂しくないのか)
(寂しくないよ)
(本当か)
(・・・・・・)
 誰が話しかけてくるのか、推測はついていた。きっと、あの短編集をもう少し先まで読めばわかるのだろう。だが十一歳の少年に戻ってしまった私にとって、あの作家に出会うのはまだまだ年月を経てからのことになるのだろう。
(本当に大丈夫か)
(大丈夫だってば)
(俺、ついていてやるよ)
(・・・・・・)
(だから、もう泣くなよ)
 私はびっくりした。泣いているなんて思わなかったのだ。目を触ると、たくさんの涙で目縁が濡れていた。
 ほどなくして、バスは終点に着いた。エンジン音が止んでみると、周囲から小鳥の鳴き声が押し寄せてきた。バス停のすぐ前に、大きな白い建物があった。

 鋼鉄の箱のような古めかしいエレベーターを降りて、漆喰のぼんやりした白の廊下の一番奥まった部屋が、その部屋だった。鉄製のベッド、清潔なリネン、窓際の一輪挿し、そして二人の女性。
 背の高い方の一人は、先ほどよりまた若くなって、ベッドの脇の椅子に腰掛けていた。低い方の一人はベッドに仰向けに寝て目をつぶっている。息をしているのだかしていないのだかわからない。
 私はまた小さくなったらしい。すがるような目で椅子に腰掛けた女性を見上げた。
「この方は、あなたの本当のお母様。わかりますか」
「おかあたん・・・」
「この方は、もう口を聞くことはありません。もうすぐ亡くなります。その後は、私があなたのお母さんになって、あなたを育てます。それが、この方と私の約束だからです。あなたは、私のことを本物のお母さんだと思って育ちます。あなたが、その眞実を知る機会が成長するうちに、あるいは訪れるかもしれません。結局、その機会は訪れず、あなたは知らないままに生涯を終えるかもしれません。その答が、私が刺している刺繍に現れるかもしれませんし、そうでないかもしれません。また、いつかあなたが出会うことになるソラキア出身の作家の作品の中に暗示されているかもしれません。いずれにせよ、急ぐべきことではありません」
 女性は立ち上がると窓に近づいて
「空気を入れ換えましょうね」
 窓が開くと、おびただしい小鳥の声が流れ込んできて、風の音がそれに混じった。
 やがて、人の気配があって、白衣を着て眼鏡をかけた背の高い男性が入ってきた。彼が、女性に目配せすると、窓が閉められた。小鳥の声が消えた。
 彼はベッドに近づくと、横たわっている女性の手首を取り、さらに首筋やら、あちこちを触ると、
「ご臨終です」
 と言った。「臨終」という難しい言葉が、子供の私にわかったのかどうか、ともかく理解とか現実とかと無関係に、私の喉の奥から
うわあああああああ・・・
けたたましい声が、後から後から止めるすべもなく流れ出てきた。頭のてっぺんから、足の先から、内臓から尻の穴まで震えていた。悲しいとか、何かの感情があったのか、わからない。ただ、洪水のように出てくる声に自分でも驚き、呆れ、他人事のように眺めていた。おそらく、私が初めてこの世に姿を現したとき、すなわち、私にとっての天地開闢の時、聞いた声に似ていると思った。

そして、それっきりすべてを忘れてしまった。気がつくと、大人に戻った私が一人、遅い時刻の新幹線のシートに座っているきりだった。さんざん、引きずり回された末、ほっぽり出されたような気分だった。

「さあさ、飲みたまえ、飲みたまえ。うちの親戚も人数は多いんだけど、みんな車で来たとか、医者に止められたとかで、飲める相手が少なくなっちまったんだから」
ある叔父さんの何回忌かの会食の席である。私は一人っ子なのだが、他の家は兄弟が多く、叔父さん叔母さんといっても何人もあるのだが、このおじさんは、私を飲める相手と見込んでしまっているようで、いつでも捕まってはながながと付き合わされる。
もっとも、話題の豊富な人なので、話があっちに飛んだりこっちにずれたりして、結局は何のことについても話してはいない、ということになるのだが、寺の座敷の障子に差す日の光の色合いがだんだん変化するのにつれて、自分の酔い具合も変わっていくのを眺めているのは悪い気分ではない。どうかすると、こうして駄弁を振るっているのが本当の時間で、あとの仕事とかなんとかは、あいだのつなぎに過ぎないという気にさえなってくる。
離れたところにいた母がそっと寄ってきて、
「じゃあ、私はそろそろ帰らなきゃいけないから」
母はとある地方都市で手芸の先生をやっているので、これから私鉄とJRを乗り継いで東京駅まで行かなくてはならない。
私はそのまま残っていても母を送っていってもよかったのだが、送っていく方を選んだ。
電車の中で、話題があるんだかないんだかわからないような会話をぽつぽつと続けているうちに、東京駅に着いた。
それじゃ、とか、また、とか、断片的な挨拶をして改札口に向かおうとする母に、にゅうと腕が伸びてきて、誰かが握手を求めた。おじさんだった。どうやってついてきたのか、さっぱり記憶にない。ともかく例の陽気さで、別れを意味もなく盛り上げて、母の眉をひそめさせた。
プロフィール

文豪堂

Author:文豪堂
いらっしゃいませ。中川善史(自称社長)と金井哲夫(自称編集局長)が2人でしこしこ書いているふざけた電子書籍本を販売する「蕪」式会社文豪堂書店です。(社名は予告なく変更することがあります) (なおこれは個人の感想です)(効能を保証するものではありません)(おだてると調子に乗ります)

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