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2021年07月

おさむらいちゃん

昨日の続きだよー。
348あるじゃない
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おさむらいちゃん

いっつも女房に怒られるんだよね。

347買いに行く

金井哲夫の編集日記 レジでちまちま小銭出す人の心理はカオスでごんすの巻

1えん
 スーパーのレジとかで、小銭をちまちま出す人がいる。ウチの女房なんかよくやってるけど、どーにもその意味がわからない。小銭でお釣りをもらいたくないからと言うのだけど、どんなに頑張ってもまたすぐに溜まるわけでキリが無い。小銭はツボにでもざーっと入れておいて、一杯になったら銀行で両替をしてもらうようにすれば、レジでちまちま出すよりずっと気持ちがいいと思うのだが。

 先日、ホームセンターで買い物をしようとレジの列に並んでいた。次はようやくボクの番だと身構えていると、精算中のお年寄りがガマ口に指を突っ込んで、表示された金額を見ながら、あれじゃないこれじゃないと指で該当しない小銭を弾きつつ、端数をピッタリにしてくれる小銭を選んでいる。「ああ、またか」とボクは身構えるのを止めてカゴを床に置き、長期戦に備えた。

 その人がいつまでも小銭を探っていると、少し離れたところに立っていた亭主と思しき男性が近づいてきて、「みんな待ってるから、適当にしなさい」とでも注意してくれるのかと思いきや、自分も財布を取り出して小銭をまさぐり始めた。夫婦があれを協働する光景を、ボクはこの世に生を受けて初めて目の当たりにした。旦那のほう、眉間に皺を寄せてちまちまとディスプレイの端数を打ち消す小銭を発見しては、ゆっくりレジのトレイに並べていく。奥さんも1枚出しては再びガマ口に指を突っ込んで条件に合わないやつを弾きながら目当ての小銭を選り分けては、また1枚出すという地道な作業を続ける。

 ようやく旦那の手が止まり、財布をズボンのポケットに片付けた。そして精算の済んだ商品のカゴを両手に抱えて、袋詰めのテーブルのほうへ離れていった。奥さんのほうも手は止まったのだが、指はガマ口に突っ込んだままだ。しばらく動きがない。死んだか? それまで辛抱強く手を前に組んで見守っていたレジ係もさすがにシビレを切らせたようで、「よろしいですか?」と一声かけて作業を再開ようとしたとき、おばあちゃんが「あ、ありました」とさらに小銭を1枚出した。最後までなかなかしぶとい。これでようやくボクの番が回ってくるわけで、それまで固唾を呑んで見守っていたボクの肩の力はほどけた。

 レジ係がお札と小銭を数えてレジの中に片付ける。いざ、ボクのカゴをレジのカウンターに載せようとしたとのとき、レジ係が言った。

「10円のお返しです」

 お釣り受け取るのかい!

     おしまい

おさむらいちゃん

345俳句

金井哲夫の編集日記 想像上の中川社長の言葉はやっぱり異次元だった想像上の話

神
よく行く近所のホームセンターでは、コロナが流行ってから毎日、館内放送が流されている。手を消毒しろ、人との間を開けろなど、ずーっと注意事項が放送されていて、まるでジョージ・オーウェルの『1984』みたいで怖いのだけど、ひじょーに気になるのは、その声。アニメ声優っぽい女の子の、鼻にかかった甘ったれた「にゃんにゃん」みたいな声なのだ。

気持ち悪いのは個人的な好みの問題なので置いておくとして、どうしてあんな小学生みたいな話し方をするのか。いや、小学校の放送委員なら、むしろ大人っぽく聞こえるように精一杯背伸びをした話し方をする。あれほど露骨にエロアニメのクソ美少女キャラみたいな口調にはならないはずだ。社長の好みだというなら許してやってもいいが、ひとついやーな懸念が頭を駆けめぐる。

クレームを恐れて、客の顔色をか伺っているのではないか。ごくごく一部のクソバカタレなモンスタークレーマーを恐れて、最初から「ごめんなさい、ごめんなさい、子どもなんだから、そんなに怒らないでね、にゃんにゃん」と謝っているのではないか。その卑屈な態度が気に入らない。謝りたいのなら、クソバカタレだけをスタッフルームに呼んで心ゆくまで土下座でもすればいいものを、大多数の善良な客にまで謝られては、こっちもクソバカタレの同類として扱われているようで非常に不愉快だ。

しかも、一連の注意事項を話した最後に「ご迷惑をおかけしますが、何卒よろしくお願いしむぁうす」と上目遣いな媚びた口調で締めくくる。あー、気に入らない。「ご迷惑をおかけします」って、新型コロナを流行らせたのはお前なのか? お前が新型コロナの責任者か? 

こんなとき、中川社長が生きていたらなんと言うだろう。大井町の大阪王将で昼間から生ビールを飲み、木須肉を一口つまんでむしゃむしゃとやったあと、ボクの顔を見てニヤリと笑って、こう言ったかも知れない。

「それは神なんだな」

中川社長は、ボクの与太話にいつも思わぬ方向からコメントを加えてくれた。まったく想像もしない、縦でも横でも右でも左でもない、頭の後ろからドンと来る。

「何万年も前から人々に崇め奉られ続けてきたから、崇め奉られ飽きてしまったんだな。だから、思いっきり謙ることにした。世の中で考えられる限り底辺のどん底の最低の人格であるエロアニメの美少女キャラに化身して、もっとも庶民的な、平凡な人たちの願望や欲望が渦巻く、かつて神社が担っていた役割を背負うホームセンターという場所で謙っている」

ほう、なるほど、そういうことだったのか。

「崇め奉ろうものなら、キミの街は一瞬で焼き払われる。ちょっと敬語を使っただけでも地獄に叩き落とされる。常に横柄に接していないと怒る。ただし、度を過ぎると怒って村が洪水に押し流される」

ロクなもんじゃないな。

「そもそも神なんて、ロクなことをしないものだよ。天変地異を引き起こして、人々を恐怖と不幸のどん底に叩き落とすのは昔から神の役目だ。悪魔のやることなんて、個人的なレベルに留まる。そのくせ、どんなにお賽銭を投げてお願いをしても、望みが叶うことなど万にひとつもない。偶然のほうが、よっぽど確率が高い。神は何もしない。ただ、たまたまいいことが起きると、神様のおかげだなんて庶民がはしゃぐもんだから、神は図に乗る。図に乗った挙げ句に、図に乗り飽きて、別の方向に動き出したのだな」

面倒臭いやつだ。神社の正しい参拝方法なんてよくテレビでやってるが、そう考えるとじつに馬鹿馬鹿しい。

「だから、『ご協力のほど、よろしくお願いもうしあげむぁーす』とか言われて、「はい」なんて返事をしようものなら、地獄の炎に焼かれるぞ。『おう、わかった』ぐらいがいい。だが『いちいちうるせーよ』とまで言ってしまうと、村中の人間が汚物の海に頭から放り込まれるので、そのつもりで」

村じゃないけど。しかしさすがは中川社長だ。想像上の中川社長であっても、その言葉に心底納得した。

おしまい

おさむらいちゃん

345スープ

おさむらいちゃんだよーん!

343オーラ